咬筋ボツリヌス治療の効果を筋電計を用いて確認しました。
患者様は歯列矯正後のリテーナーを噛み締めて割ってしまう20代の女性です。「ホルター筋電計付刺激装置 MyOnyx」と「TRIODE 電極 3402M」を使用して、閉口筋(口を閉じる時に使う筋肉)の代表である咬筋の活動量を計測しました。
ボツリヌストキシン投与前のデータの最大値を見てみると、左側咬筋が225.06μV、右側咬筋が389.47μVで左右差も認められます。最大値は男性100μV、女性80μVを基準値とし、それ以上の場合、噛む力に対してマウスピース治療やボツリヌス治療でのフォローが推奨されます。
※以下データは左側咬筋:黒線、A / 右側咬筋:黄線、Bです。
この患者様は、すでに矯正用リテーナーを噛みしめて割ってしまっていることと明らかに最大値が高いので咬筋ボツリヌス治療を行いました。
約1ヶ月後、最大値が左側咬筋が225.06μV→39.48μV、右側咬筋が389.47μV→47.49μVに減少し、左右差もほぼ無い状態になりました。
顔貌を治療前後で比較すると、咬筋のハリが減ったことにより心なしか下顎角のラインが細くなっています。
歯が欠けたり、補綴物の破損や脱離経験がある方、歯ぎしりや食いしばりがある方、知覚過敏症状がある方はもちろん、セラミック治療やインプラント治療を希望なさる方はぜひ咬筋ボツリヌス治療をご検討ください。