何気なく歯医者に行ったのにレントゲン撮影を勧められる場合がありますよね。『え?特に痛いところないし、穴もあいてないし必要ないんじゃないかなぁ』と思う方もいらっしゃると思います。
今回はそんなレントゲン写真についての話です。
ぱっと見たところ、左上5番の噛む面に小さな穴がある他は特に大きな穴もなく虫歯がなさそうに見えます。患者様も特に痛いなどの自覚症状もありません。
しかし、よーーーくみてみると左上の4番の色がクリーム色と薄いグレーがかっているように見えませんか?レントゲン写真を撮影して確認してみると、、、
やはり左上4番に歯の内面に横に広がる黒い透過像と、左上4番と5番の間にも欠けた像、黒い点が認められました。これが虫歯のレントゲン像になります。
きっと左上4番と5番の間から虫歯になったのでしょう。
実際に左上4番を麻酔下で削ってみると案の定、空洞が現れました。
慎重にう蝕検知液などを使用しながら虫歯を削っていきます。
虫歯の部分を取り除くとレントゲン像で予測できた範囲と同じ削除量でした。その後、コンポジットレジン修復を行いました。
レントゲンからは虫歯だけではなく、歯周病による顎の骨の変化や異常所見、根の先に病変(根尖病変)がないか、顎関節症他、さまざまな情報が得られます。
ですので、初診時だけではなく定期検診時にもレントゲン撮影が必要な場合があります。『歯に穴もないし痛くないから大丈夫だ』と自己判断せずに、歯科医院で定期的に健康状態を確認しましょう!
虫歯についてのYouTube動画もどうぞご参考になさってください。