冷たいものを口にした時に歯がキーンとしみたことはないでしょうか?
もしあるとしたら、知覚過敏かもしれません。
知覚過敏とは、歯の内面の象牙質が口の中にむき出しになってさまざまな歯への刺激が歯の神経に伝わり痛くなる症状のことです。
象牙質は健康な状態であれば、歯冠部はエナメル質、歯根部はセメント質に覆われていますが、それらが失われることで象牙質が露出してしまいます。
その原因は大きく分けて
①非医原性 ②医原性 に分けられます。
非医原性は生活習慣によるものです。「摩耗・酸蝕・咬合」が挙げられます。
摩耗は誤った歯磨き習慣で起こりやすいので、歯科医院で歯磨きレッスンを受けてみるといいと思います。
厚生労働省実地歯科疾患実態調査でも男女ともに50%以上の方が補助清掃道具を使用しているのですが、せっかく歯磨き意識が高いのに間違った使用法をしていたらもったいないですよね。
酸蝕は、酸性食品を頻繁に摂取していたり、慢性的に吐く場合があります。
また薬の影響も考えられます。
象牙質を覆っているエナメル質はph5.5、セメント質はph6.2で溶けてしまいます。
最近では健康ブームによる酢やスポーツドリンクの過剰摂取も見られるので、お気を付けください。
咬合は、ご自身の咬む力が強すぎて歯が欠けてしまうことで象牙質が露出してしまいます。
ストレス社会で知らず知らずのうちに歯ぎしりや食いしばりといったブラキシズムが現れることがあります。
また、強い力ではなくても、歯と歯が接触している時間が長いとそれも歯にとってはダメージになります。
舌のまわりがギザギザしていたり、頬の裏の粘膜に歯型がついていたりしたら、ブラキシズムが疑われます。
マウスピース治療、TCH法などで対応する他、寝る前にリラックスをするなどしてみてくださいね。
医原性は歯科医院での治療が原因で生じてしまった場合です。
特に過度のクリーニングが原因で健康セメント質を傷つけてしまう場合があります。
せっかく歯のクリーニングをするのであれば、パウダーケア(自由診療)のような歯にやさしい方法で丁寧にケアしてあげたいものです。
このように知覚過敏と言っても様々な原因が考えられますが、歯科医院での治療と合わせて生活習慣の見直しも大事です。
自分では気づいていない場合も多いので、気になる方はご相談くださいね。
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